
昨年は原油高による問題が連日報道され、首都高速の渋滞が無くなるほど原油高が経済や私達の生活に大きな影響を及ぼした。
しかし、世界的な経済不況、金融危機もあり投機的マネーが原油から一気に引いたため、何事も無かったように首都高速には従来の渋滞が戻ってきた。
目先の「オイル」問題が解決されひと安心であるが、今後は、首都高速の「老いる」問題が浮上してくる。
首都高速の皇居を囲む都心環状線が開通して既に40年以上が経過。
その交通量は、一日約46万台。
そのうち4割は大型車であり、予想以上の荷重による道路の損傷は計りしれず、道路の維持や補修に使うお金は年間270億円にものぼる。
補修を繰り返してもいずれ寿命がやってくるが首都高速道路会社に造り直すための備えはない。
「老いる」問題は高速道路だけではない。
都内では高度成長期の1960年代半ばから1970年代にかけて都立高校や中学校、警察、消防署などが建築され、またバブル期に計画された江戸東京博物館を筆頭にハコモノが1990年代に次々と建てられてきた。
今後10年間で、これらの大規模建築物の改修・改築に9000億円が必要である。
また4割の橋梁が1980年代までに造られてきており、この老朽化による架け替えには30年間で1兆6000億円かかる。
道路や施設などの街のインフラは年月の経過とともに老朽化が進み更新が迫られる。
「ヒト」の老いる問題ばかりに目がいき、福祉のニーズばかりに応える予算を組んでいけば、「モノ」が老いる問題は放置され、インフラの維持が困難となる。
人口減少と高齢化による税収減は必至の自治体財政にとっては頭の痛い問題である。
勿論、家計も自分自身が老いる問題と自宅が老いる問題(大規模修繕費用の準備)を考え、自分の資産を今と未来に振り分け、事前にシミュレーションをしなければならない。
時間をかけて準備することは難しくないが、収入と体力が衰えてからの準備はきついからである。
国家や地方自治体の財政と家計。「老いる」問題を抱え、予算をどう振り分けていくかが鍵である。