2009年1月1日
「貯蓄から投資へ」とは、私達のお金を銀行に預けるのではなく、企業に投資をしましょう、ということ。しかし、銀行に預けたお金も、結局は銀行が選んだ企業に振り分けられるので間接的には企業に投資をしていることになる。
つまり、「貯蓄から投資へ」は、お金の流れでいえば「間接金融から直接金融へ」ということになる。
どちらも、出発点は私達(投資家)のお金であるが、「銀行経由企業」行きか、直接「企業」行きかの違いであって終着点は企業である。ただ間接金融の場合、自分のお金がどんな企業にいくら投資されているのかは不明である。
これを投資家の立場ではなく経営者の立場からみたらどうか?間接金融に頼るのではなく、投資家から直接資金を調達しましょう、ということになる。
これまで長きにわたり、日本国内企業は間接金融、すなわち銀行からの借入に依存し、その比率は世界に類を見ない水準である。そんな中で、市場経済がサブプライムローン問題やリーマンショックによる金融危機、そして不況に陥ると、間接金融に依存した企業は、急激な「貸し渋りや」「貸し剥がし」にあい、多くの企業が振り回されることとなる。ましてや大企業までが昨今の不況により間接金融に依存する状態になると、金融機関は大企業に融資をする為、今後中小企業にまでお金がまわらないことも予想される。
銀行からの資金調達が難しくなる中、間接金融に依存することなく、直接市場から資金調達ができたらと各企業の経営者、特に中小企業の経営者は望んでいるが、社債の発行や増資は、なかなか現実的ではない。
そんな中、中小企業だからこそできる直接金融の方法がある。「少人数私募債」である。
一般に社債を発行する場合、発行費用や募集費用、管理費用などの運用コストが相当かかるが、官庁への届け出を必要としない少人数私募債は社債券の印刷費用まで省略することが出来、低コストでの中期的な資金調達が可能となるのである。
一方、投資家となるのは、縁故者、すなわち社長一族や知人、社員、取引先などに限られており、不特定多数の人や金融のプロは対象外であるので、投資家からすれば会社と経営者を良く知っており、顔の見える投資先である。
また、投資家が受け取る社債利息は、20%の源泉徴収で課税関係が終了するため、面倒な確定申告は不要であり、更に所得税の税率の高い投資家にとってのメリットは大きい。勿論、銀行の預金利息が超低金利時代であるため有利な資産運用という面もある。
通常銀行からの借り入れは、翌月からいきなり元本と利息を返さなければならないが、社債は、5年満期であれば5年間元本を返済する必要はなく、毎年1、2回の利息の支払いのみである。そして5年後の満期時に一括償還することとなり、その間、中期的計画のもと安定して事業を進めていくことができるといえる。
多くの中小企業が間接金融に依存し、短期資金調達を繰り返し、借金を借金で返す「自転車操業」の状態に陥っている中、自助努力で資金調達できる強い企業へと変化しないと生き残れない時代ではないだろうか?
「貯蓄から投資へ」は経営者からすれば、資金繰りの多くを金融機関からの融資に依存してきた中小企業に「自己調達」を促すスローガンでもある。投資家に“投資をしたい”と思われる企業への変貌が必要である。
そのためにも貸し手が納得するような、企業の理念や意思を示し、未来を数字にして落とし込む「経営計画書」が必要である。